POSとは、「Point Of Sales(販売時点管理)」のことです。
スーパーやコンビニなどの小売り業のPOSレジは、販売データを取得するための装置で、商品を販売するためのカード決済機能が備わっています。以下、POSレジでのカード決済の仕組みについて解説します。
■ POSレジのカード決済の仕組み
POSレジには、シリアルケーブルあるいはUSBケーブルでカード決済端末が接続され、オーソリを送信する決済センターと売上明細を送信するPOSサーバがネットワーク接続されます。
POSのシステム構成は、決済センターと売上明細をネットワークを介して送信する場所の違いによって、以下の外回り、疑似外回り、内回りに分けられます。
■ 決済シーケンス
OPOSを使った最も代表的な「外回り」の形態における商品を購入する際の外回りの決済シーケンスを示します。
①店員は、POSの画面からカード決済端末に決済開始指示を出す
②POSアプリは、OCXのAnthorizeSalesメソッドを呼び出す
③OCXは、売上コマンドを決済端末に送信する
④買い物客は、カード決済端末にカードを読み込ませる
(カードを読み込ませる方法には、翳し、スワイプ、挿入の3つの方法がある)
⑤決済端末は、カードからデータを読み込む
⑥カード決済端末は、決済センターにオーソリ要求電文を送信する
⑦カード決済端末は、決済センターからオーソリ要求応答を受信する
⑧カード決済端末は、更新データをカードに書き込む(プリペイド型電子マネーのみ)
⑨カード決済端末は、売上レスポンスをOCXに送信する
➉OCXは、POSアプリにOutputCompleteイベントを通知する
⑪POSアプリは、結果を画面表示し、売上明細を作成する
⑫POSアプリは、レシートを印字する
ここでポイントとなるのが、⑥と⑦のオーソリ電文と⑪の売上明細です。
オーソリは、クレジットあるいは口座から金額を引き落とすために実施されです。
(厳密に言うと、クレジットは引き落としではなく、与信の承認だけです)
したがって、プリペイド型またはポストペイ型である電子マネーでは、原則、オーソリは実施されません。ただし、プリペイド型の電子マネーにオートチャージを設定している場合、オーソリが実施されます。
■ OPOS(Open POS)仕様
カード決済端末を制御するためのインタフェースに、MicrosoftのOPOSという規格があります。
このOPOSの規格は、WindowsのOLEの仕組みをベースに、
OSがWindowsのPOSにつながるプリンター、スキャナ、CAT(クレジット端末)、電子バリューリーダライタ(EVRW:電子マネー)など各種端末をモデル化した各種メソッドなどを定義しています。
OPOSの規格にしたがって作られたモジュールは、その拡張子からOCXと呼ばれています。
CATと電子バリューリーダライタの主なメソッドには、以下のようなものがあります。
・CAT
メソッド | 説明 |
Open | デバイスオープン |
Close | デバイスクローズ |
ClaimDevice | デバイス排他権獲得 |
ReleaseDevice | デバイス排他権解放 |
ClearInput | デバイス入力クリア |
ClearOutput | デバイス出力クリア |
DirectIO | デバイス直接通信 |
UpdateFirmware | ファーム更新 |
AuthorizeCompletion | 承認後売上 |
AuthorizePreSales | 事前予約 |
AuthorizeRefund | 返品 |
AuthorizeSales | 売上 |
AuthorizeVoid | 取消 |
AuthorizeVoidPreSales | 事前予約取消 |
ErrorEvent | エラーイベント |
OutputCompleteEvent | 完了イベント |
・電子バリューリーダライタ(EVRW)
メソッド | 説明 |
Open | デバイスオープン |
Close | デバイスクローズ |
ClaimDevice | デバイス排他権獲得 |
ReleaseDevice | デバイス排他権解放 |
ClearInput | デバイス入力クリア |
ClearOutput | デバイス出力クリア |
DirectIO | デバイス直接通信 |
UpdateFirmware | ファーム更新 |
ClearParameterInformation | タグ付きデータクリア |
RetrieveResultInformation | タグ付きデータ取得 |
SetParameterInformation | タグ付きデータ更新 |
AccessLog | アクセスログ取得 |
ActivateService | 設置 |
AddValue | チャージ |
CancelValue | 取消、返品 |
ReadValue | 照会 |
SubtractValue | 売上 |
DataEvent | データ入力イベント |
ErrorEvent | エラーイベント |
OutputCompleteEvent | 完了イベント |
TransitionEvent | 通知イベント |
■ まとめ
OSにWindowsを採用しているPOSレジのPOSアプリは、接続する周辺機器のOCXを利用する前提で作られている場合が多くあります。
ただし、決済端末用のOCXがあれば、どんな決済端末でも接続できるわけではありません。データの返却の仕方など、個々に細部が異なります。
そのため、各メーカの決済端末に応じて、POSアプリにて個別に処理を開発する必要があります。
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